株式投資の前にまず知っておくべきこと
株式投資を始めてみたものの、損失に出してしまう人が大勢いることは、これまでにも書いてきたとおりです。では、そのような人たちはなぜ損失を出してしまうのでしょうか。
色々な原因はあるでしょうが、一番の原因は安易に投資してしまうことにあります。最も悪いのは投資ではなく投機をしてしまうことであり、あたかもHigh & Lowのようなギャンブル感覚で投資をしてしまうならば、損失に終わることはほぼ間違いありません。
このような僥倖に頼む姿勢は間違っています。緻密な分析をもとに投資している人が大勢いる中で、ギャンブル感覚で勝てるはずはないということは当たり前のことです。
安易にという点では、簡単な情報収集で投資してしまうのも間違いです。「新聞にこう書いてあったから」「アナリストがこう言っていたから」「投資掲示板でみんながこう言っていたから」など、それも様々な情報の中の一つとして扱うならば情報収集に違いはないのですが、そのような簡単な情報収集だけで稼げるならば誰でも稼いでいることでしょう。
しかし、ほとんどの人が損失に終わっているのは事実であり、株式投資はそんな甘いものではありません。このような姿勢はもはや情報収集とは言えず、単に周りの意見に流されて売買をしているだけです。
株式投資で堅実に稼いでいくためには、まずこのような姿勢を払拭してしまう必要があります。そして、株式投資で一番大切なことは「損をしないこと」であると覚えておくことです。「絶対に損をしてはいけない」と心得ておけば、とてもギャンブル的にお金を投じることなどできませんし、他人の意見に流されることもなくなります。
損をしたらどうなるか
なぜ、そんなにも損をすることを恐れるのでしょうか。それには理由があります。
例えば、あまり考えずにある銘柄を100万円分買った結果、30万円の損失を出してしまったとします。元手を追加しないならば、70万円で次の投資を行わなければなりません。この30万円を取り返すのは容易ではありません。
プロの投資家でも年間10%ちょっとくらいしか稼げない世界です。プロではない人々は損失をしなければまずまずであり、年間5%でも利益が出れば上々と言ったところでしょう。では、70万円を元手に年利5%で投資を行い、損失となった30万円を取り戻すためにはどれくらいの時間がかかるのでしょうか。
驚くなかれ、30万円を取り戻すためには約7年もかかるのです。もちろん、7年間順調に年利5%を出して初めて30万円を取り返せるのですが、その間に世界的な危機などがあれば株価は下がりますから、もっと時間がかかる可能性もあります。このことから考えて、損失を出すことがいかに避けるべきことかがわかるでしょう。
このため、株式投資では損失を出さないことが最も大切であると言われているのです。
元手を増やすために投資をしているわけですが、損失を出す人が非常に多いため、利益が出ない代わりに損失も出さなければ少なくとも負けではありません。その間に経験も積めるのですから、見方によっては益するところも大きいでしょう。初めて間もないころは、とにかく損失を出さないことを念頭に置くべきです。
このことは、ウォーレン・バフェットの投資ルールを見てもよく分かります。
ルール2:ルール1を絶対に忘れないこと。」
また、ジョージ・ソロスにも似たような言葉があります。
とにもかくにも、損失を出さないことです。損失を重ねれば元手が無くなって投資自体できなくなりますが、とりあえず損失を出さなければいつでも投資することができます。
株式投資をしていると、どの銘柄を買ってよいか分からなかったり、世界情勢が不安定で心配になったりすることがあるものです。そのようなときは、何も買わなければ良いのです。そうしておけば、まずは損失が出ることはありません。そして、じっと耐えていれば「今こそ買うべき!」というタイミングが必ず来ます。その時に自信を持って買うこと、これが株式投資で儲ける要諦です。
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