初心者は大型株がおすすめ
短期投資が良いのか長期投資が良いのかについては前8ステップにて解説した通りですが、次に、長期保有を前提として、投資対象は小型株が良いのか、大型株が良いのかということを考えていきましょう。小型株とは、時価総額が数億円~数百億円の企業であり、大型株は時価総額が数千億円以上の企業であると考えればよいでしょう(中間として中型株を設ける分類もありますが、小型株と大型株に分けた方が分かり良いと思います)。
基本的には、投資対象さえ誤らなければ小型株でも大型株でも問題ないのですが、初心者は大型株に投資した方が安全と言えるでしょう。長期間保有するのですから、安全な大型株のほうが安心して投資できます。これは、大型株だけが持つ以下のような強みによります。
2.優秀な人材がそろっている
3.株価が上がりやすい
1は、資金力があり、必要に応じて銀行融資を受けやすいということは、資金繰りに行き詰って倒産する可能性が低いということです。また、資金力があれば設備への投資や研究開発への投資もできるため、競争力があるということでもあります。
2は、大きな企業には優秀な人材が集まりやすく、また人材育成のノウハウも持っていて優秀な人材が育ちやすいため、困難にぶちあたっても乗り越える力があり、倒産しにくいということです。
3は、大きな企業ならば社会的知名度が高く、また株式市場でも注目されやすいため、なにかよい材料が出れば株価が上がりやすいということです。
以上のような理由から、大型株には安心して投資できると言えます。具体例を挙げるならば、2015年に不適切会計問題によって東芝の株価が急落した時、焦った投資家は多かったことでしょう。しかし、東芝ほどの大企業ともなれば簡単に倒産することはありません。実際、その後順調に業績を回復しています。倒産する可能性が極めて低いこと知っており、そのような銘柄を長期保有することを心がけていれば、下落した局面でたくさんの株を買い集めることもできたわけです。
小型株もよい
たしかに、小型株は資金力や人材や市場の注目度の点では難があります。しかし、しっかりと分析すれば、小型株といえども倒産しないという確信を持つことは可能です。大型株ほどの資金力はなくとも、資金に余裕を持たせて堅実に経営している企業であれば、世界的事件が起こっても容易に倒産することはなく、長期投資が可能です。
人材についても、独自の社内システムによって人材確保や人材育成に努めている企業があります。市場の注目度については、注目されずに株価がなかなか上がらないということも多いのですが、これについても長期で上がってくれれば良いのですから大した問題にはなりません。
株式市場が安定していたり、株高になっているタイミングなどでは、大型株がどれも高く見えることがあります。ドル・コスト平均法によって投資するならば株価にはあまりこだわらなくてよいのですが、どう見ても気が進まない割高なものばかり、ということもあり得ます。
そのような時、小型株に目を移してみると、市場から注目されずに安値で放置されている小型株が見つかることが多いものです。放置された銘柄を安値で買い集めておけば、次第に注目度が高まったときに大きく儲けることもできます。
したがって、基本的には大型株への投資を意識しつつ、必要に応じて小型株にも投資するというのがよい方法と言えるでしょう。
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