「STEP1:株式投資の始め方(前書き)」でお話した通り、当講座では株式投資の仕組みなどについて詳述するつもりはありません。しかし、だからといって最低限押さえておくべき事項までも飛ばしてしまうことはできないでしょう。そこで、STEP2では株式投資の稼ぎ方について、ごく簡単に紹介していきます。
まず、株式投資とはなんなの?ということですが、これは簡単に言うならば、株式市場を通して広く株式を公開している企業の株に投資をすることで、利益を上げることを目指す投資形態のことです。
株式を公開している企業は日本には約3500社あり、日々投資家が売買することによって株価が変動しています。その企業が新しい取り組みをしたり、新しい技術を開発したり、業績が良かったりすればその企業には買いが集まり、株価が上がります。
逆に、さまざまな理由で売りが集まれば、株価は下がります。また、株価は何の意味もなく上がったり下がったりすることもあります(このことはSTEP20で詳しく解説しています)。
投資家は、この株価の値動きによって利益を出していきます。例えば、特定の企業に注目しておき、次回の決算内容は良さそうだと判断したならば、決算発表前に株を買っておき、決算後に株価が上がれば、そのタイミングで売ることによって、購入額と売却額の差額が利益となります。
つまり、100円の株を1000株買っておき、それが120円に上がったならば、1000株を売却したときに2万円の儲けになるということです。もちろん、予想とは逆に株価が下がり、損失が出ることもあります。
決算の予想だけではなく、株価の見通しを付ける方法は色々あります。例えば、世界情勢に目を向けるという方法があります。中東情勢へ目を向けておき、不穏な空気が流れていることを察知すれば、石油関連株は買わないようにすることができますし、チャートや財務情報を見て、実際には1株1000円くらいしても不思議ではない株が800円で売られていれば、将来的に1000円になることを見通して買っておくことができます。
簡単に言うならば、株価が安い時に買い、その株価よりも高くなった時に売ればもうかるということです。これが、株式投資の儲け方の基本となります。
配当金とは?
このほか、株式投資の稼ぎ方の一つに配当金があります。これは、企業の利益を株主に還元することです。もし長期にわたって投資をするならば、配当金も利益の重要な要素になってきます。
配当金は一定に定まっているものではなく、企業がそれぞれ定める配当率に基づいて支払われています。1%以下の会社もあれば5%の会社もあります。0%、つまり無配の会社もあり、業績が悪い会社が無配となっていることが多いです。
また、新興の成長企業が、配当金を出さずに利益を社内留保して成長力のプラスにする、ということもあります。長期投資家にとっては無配の会社は選ばれないことも多いものですが、無配であっても本当に成長力がある会社ならば、成長の末に株価が上がって投資家に利益をもたらすこともあるため、長期投資家も無配の企業に投資する場合があります。
株主優待とは?
株主優待とは、企業が株主への謝意を示すために、商品券やその会社の商品、お米などをプレゼントするという制度です。これは、日本の企業だけに見られる特異的な風潮であり、海外の企業では株主優待は行われていません。株主優待をするくらいならば配当金を増やすという考え方です。
しかし、日本企業は株主優待を行なっています。もちろん、株主優待を実施していない企業もありますが、投資雑誌などを見ると株主優待が特集されていることも多く、日本の投資家からは支持されているシステムであることは間違いありません。
皆さんの中にも、株主優待をもらうことによって「配当金だけじゃなくオマケももらえた」と喜ぶ人もいることでしょう。単なるオマケ程度に考えておけば問題ありませんが、国内外の情勢や企業の財務情報といったことを見逃し、株主優待の優劣で企業を選んでしまうということは避けたいものです。
次の記事は「ステップ3:株式投資の魅力」です。